城南地区を代表する商店街は?そう問われると真っ先に名前があがるのが東京で一番長いアーケード街の「武蔵小山パルム」、もしくは今回紹介する「戸越銀座(とごしぎんざ)商店街」ではないでしょうか。

住所でいえば品川区豊町、戸越、平塚にまたがる戸越銀座通り商店街は全長約1.3km。3つの商店街から成りたつ東京で一番長い商店街です。約400店ものお店が地図に記されたパンフレットも片面だけでは足りなく、表から裏にかけてデザインされています。端から端までひたすら歩くと10分以上かかり、とにかく長い!ちなみに「銀座」の名は関東大震災後の復旧時、銀座からもらい受けたレンガが役立ったことに由来します。

衣食住、なんでも揃う戸越銀座ですが、魅力の1つが食べ歩き。

バラエティ豊かな惣菜やスイーツなどのお店が点在し、イブクロをあの手この手で誘惑します。ダイエッターにはガマンどころですが、美味しもの好きにはたまらないエリア!ということで戸越銀座で食べ歩きを敢行しました。

今回はあえて取材するお店を決めず、RPG的に商店街の人に紹介されたもの、グッときたものをハント(お腹を満たす)しました。取材チーム4人、ランチ返上でのぞんだ渾身の(!?)「JONAN MAGAZINE 冬の戸越銀座 食べ歩き編」をお届けしましょう。

■戸越銀座・中原街道側からスタート

トップバッターは「おめで鯛焼き本舗」の鯛焼き。焼き立てアツアツのつぶあん、安納芋、お好み鯛焼きをその場で食べるという、幸せなスタートを切りました。「笑う鯛には福来たる」がモットーというお店の方に戸越銀座のおいしいものを尋ねたところ「おでんコロッケ」がおすすめというお返事。地元のグルメは地元の人に聞け!という「ローカルグルメの法則」にのっとり、おでんコロッケを求めて戸越銀座商店街を進んでいくことにしました。

おめで鯛焼き(各種160円〜)。アツアツを頬張ると心も胃袋も幸せに。

商店街の途中には東急池上線「戸越銀座」駅があります。あたたかみを感じさせる木造りのモダンな駅舎。改札口付近には戸越銀座商店街の案内板があります。

第三京浜国道を渡ると、古着屋やドラッグストア、リサイクルショップ、さまざまな業態の飲食店が軒を連ねています。空腹の食べ歩きハンターの次なるエモノ、いえ、フードはタピオカに代わって日本の女子をトリコにしそうな勢いのある台湾生まれの「大鶏排(ダージーパイ)」。戸越銀座で唐揚げといえばこのお店といわれる「鶏&デリ」の大鶏排は注文してから揚げるため、約8分ほど待ちます。鶏ムネ肉を使うお店が多いなか、このお店は鶏モモ肉を使用。よって、食べると肉厚でジューシー!平日で約50枚、休日には約150枚を揚げるそうです。

赤ん坊の顔より大きな大鶏排500円。「鶏&デリ」では店内にカウンターやテーブルが用意されている。

■だんご、コロッケ…食べ歩きの王道を行く!

続いては「みたらしだんご」の幟に吸い込まれて「つづみ団子」へ。長崎県諫早市で誕生したお店で、東京では戸越銀座と砂町銀座に出店しているそうです。早速、お団子にあんこを包み、外側にみたらしあんをかけた「あんみたらし団子」をゲット。ホッとする和の味わいに一同満足しました。

もちろんローカルグルメの法則に従って、お店の方に食べ歩きにおすすめのお店を聞くことも忘れません。ジャニーズ系のイケメン店員さんにうかがったところ「自分でも時々買いに行く、うなぎいもを使ったスイーツ店」とのこと。ご協力、ありがとうございました!

あっさりめのあんこを包んだ2つのお団子を串に刺した「あんみたらし団子」180円。

しばらく歩くと見えてきたのが「おでんコロッケ」の文字。おめで鯛焼き本舗のおすすめはここでしたか!「後藤蒲鉾店」の軒先に置かれたショーケースから取り出された、まん丸のカワイイおでんコロッケの中身はじゃがいもに昆布、大根、ナルトなどのおでん具材。このお店ではおでんの材料も多数扱っています。お店にはテレビの番組撮影で訪れたタレントさんたちの写真がびっしり。「コロナ禍の影響でここ2年、取材は一度もありませんね…これが一番新しいものです」とスタッフの方が人気芸人EXITのおふたりが映っているロケ写真を紹介してくれました。

コロッとして、食べやすい大きさのおでんコロッケ 108円。

おでんコロッケを食した後、「うなぎいも」と書かれたフラッグを見つけた途端、皆、心なしか足早に。

つづみ団子の方からおしえていただいた「うなもストア in Tokyo」は静岡県浜松市で栽培され「うなぎいも」を使ったスイーツが並ぶお店。ナニヤラ気になる「うなぎいも」とは鰻をさばいて捨ててしまう部分を肥料にして栽培されたサツマイモ。さすが、鰻が名物の浜松ならではの産物。ここでは「うなぎいもモンブランソフト」をいただくことに。ソフトクリームに糸状のモンブラン生地がたっぷりかけられ、ソフト好きにもお芋好きにも愛されるお味でした。

モンブラン生地はホットかノーマルを選べる、うなぎいもモンブランソフト 600円。

■食べ歩きのシメは日本のソウルフードで

気がつくと、戸越銀座商店街が終わる1ブロック前まで歩いていました。鯛焼きのお店から1kmは歩いていることになります。

「うなもストア in Tokyo」から踵を返し、戸越銀座駅方面へ。モンブランとソフトの甘みに癒された後は「肉汁飛ばし大会」へ突入した取材チーム。肉汁飛ばしって…一体!?会場は焼き小籠包が名物の「龍輝」前の路上に出された簡易テーブル。一口かじるとジューシーでたっぷりの肉汁がほとばしる!それは口のなかだけでなく外にも…。このお店を紹介してくださったのは後藤蒲鉾店の方で「食べる時に肉汁が飛び散るので気をつけてくださいね」の言葉を焼き小籠包を口に入れてから思い出した私たち。ここでは誰がどこまで肉汁を飛ばしたか?ではなく、肉汁を余すことなくいただくコツを体得したのでした。笑

購入するとお店の前にテーブルを出してもらえる。焼き小籠包はお好みで黒酢をかけるのもよい。4コ430円。

食べ歩きのシメは日本のソウルフード「おにぎり」。おにぎり専門店「米がおいしいおにぎり 戸越屋」は作り置きがなく、注文を受けて握るおにぎりが楽しめます。イートインもテイクアウトもできるおにぎりは40種。うめ、鮭となどの定番から卵黄の醤油漬や明太クリームチーズなどの変わり種もあり、サイズも大・小から選べます。笑顔の素敵な女性スタッフからオススメのおにぎりを紹介していただいた後、1人1種のおにぎりを選んだ私たちは頬張りながら「やはりおにぎりは最高だね!」と無言の言葉を交わし合ったのでした。

自動販売機でチケットを購入した後に握りたてが食べられるおにぎりは250円〜。

戸越銀座でこうして食べ歩きができるのも、毎日午後からの数時間が車両通行止めになり、街路で歩行者天国を実施していることから。また、通りがストレスなく歩け、スマートに映るのは電柱が地下に埋められていることも大きなポイントとなっています。

戸越銀座は人を呼び込むチカラのある商店街。ここでオナカを満たして、エネルギーチャージしませんか。

Information

戸越銀座商店街

https://www.togoshiginza.jp