日本だったらご飯にお味噌汁に焼き魚、あるいはパンとコーヒー。
最近だったらYoutubeで見つけたオートミールや米粉のレシピを試してみたり。
朝食はその国の食文化が凝縮されている存在ではないでしょうか。

「朝ごはんを通して世界を知る」をコンセプトに、その国の伝統的な朝食メニューを楽しめるレストランがあります。
それがキラー通りにある「WORLD BREAKFAST ALLDAY(ワールド・ブレックファスト・オールデイ) 外苑前店」。
長テーブルが1つ置かれた店内では早朝から夜まで、世界の朝食を食べられます。

お店の入り口にはスペシャルメニューの国の国旗を飾っている

こぢんまりとしたお店には12人も座れば満席のロングテーブルが1つ、その向こうにキッチン。
ここは肩に食い込むほど重たいバックパック1つで渡り歩いてきた旅人がたどり着く海外の安宿のリビングのようで、言葉も文化も異なる者たちが隣り合って飲食を共にしながら旅の情報交換をするーそれはスマホの検索では得られない、人間同士が自分の五感を通して語るーあたたかみのある交流の場を思わせます。

お店の定番はアメリカ、イギリス、台湾の朝食。
加えて2ヶ月に1回、ある国にフォーカスしたスペシャルメニューが提供されます。

2023年6・7月はマレーシアの朝食「ナシレマ」(1,800円)がお目見え。
多民族国家のマレーシアはさまざまな食文化や宗教上のルールに基づいた食が楽しめる国。
「ナシ」はお米「レマ」はココナッツミルクという意味で、野趣あふれるバナナリーフの中央にはココナッツミルクとパンダンリーフで炊いたごはんが。その周囲を鶏肉を煮込んだカレー「レンダン」、唐辛子と玉ねぎがベースのスパイシーな「サンバル」、小さなイワシを揚げた「イカンビリス」、ゆで卵やピーナッツなどがぐるりと囲みます。

いつか現地で食べてみたいマレーシアの朝食「ナシレマ」

料理を運んできたスタッフの方曰く「食べる時は全部混ぜ合わせてくださいね」。
口に運ぶと色々な味が押し合いへし合い、複雑な旨みを作り出し、なるほど“秩序あるカオス”な味わい!

プルプル食感!タピオカで作ったプリン風のデザート「サゴグラマラッカ」(550円)

定番メニューの「アメリカの朝ごはん」(1,500円)はパンケーキ、カリカリに焼き上げられたベーコン、目玉焼きがのったワンプレート。
パンケーキに添えられたメイプルシロップはベーコンにも少したらすのがアメリカンスタイルだとか。ベーコンに甘さを加えることに若干抵抗感はあったものの、意外にも塩気と甘みのコンビネーションはイケる! こんな舌の冒険ができるのも、このお店の魅力。

3種ある定番メニューの1つ、アメリカの朝食

2ヶ月ごとに変わるスペシャルメニューですが、現地の味を忠実に再現するため、日本にある対象国の政府観光局や大使館の協力のもと、レシピを教わるそうです。
これまで何度も朝食を取り上げた国もありますが、毎回1、2品は新しい料理を取り入れるのが、お店の流儀。
ちなみに、2023年8・9月に登場するメキシコの朝食も以前、提供されたそうですが、今回はまた違う料理がプレートにのる予定です。

定番の3ヶ国の朝食とある1ヶ国にフォーカスしたメニューが楽しめるWORLD BREAKFAST ALLDAY。

外苑西通りの「キラー通り」にあるお店(写真・左から2番目のビル1階)

自由に渡航できるようになった今年、どこかに旅したくてウズウズしている人もいらっしゃることでしょう。
まずは舌の冒険から始めてみませんか?
さあ、朝食で世界の旅に出発!

information
2013年に外苑前店がオープン。吉祥寺、銀座でも開店

WORLD BREAKFAST ALLDAY 外苑前店
東京都渋谷区神宮前3-1-23 1F
03-3401-0815
https://www.world-breakfast-allday.com