東急東横線・学芸大学駅の高架下に沿って都立大学駅方面へ。
近年リニューアルされた「学大高架下」に軒を連ねる個性的な小さなショップを眺めながらの「碑文谷公園」に向かう道のりは、ちょっとした街歩きの楽しみでもあります。
碑文谷公園は北側に体育館や野球場、南側には池を中心にした緑豊かなエリアが広がっています。
東横線を走る電車の往来が絶えない高架下にほど近い公園の中心にあるのが「弁天池(碑文谷池)」。江戸時代には今よりも広く、鷹狩りの好適地として重んじられてきた歴史を持ち、その後は碑文谷村の農業用水を蓄える貯水池として大切に守られてきました。1933年の碑文谷公園開園後も、この池は公園の中心であり続けています。

そして、この公園の魅力を語るうえで欠かせないのは、愛らしいポニーたちとふれあえることです。
園内では5頭のポニーが飼育されていますが、この夏の長雨で外遊びがおあずけとなっていたのは、どうやら人間だけの話ではなかったようです。


9月下旬。久しぶりに迎えた快晴の日、厩舎から馬場に放たれたポニーたちは、いきなりゴロンと仰向けに寝転がるという、まさかの行為を見せてくれました。なんと、足を空に向かって伸ばし、お腹全開!「おー」と見物客から歓声が上がります。きっと、雨が続いて鬱屈した気持ちをお天道様の下で解消したかったのですね(人間も一緒です)。

よくポニーを見に来るという女性が「2頭がお互いの毛をかき合う姿が可愛いのよ」と教えてくれた通り、2頭が向き合い、まるで互いのストレスを解消し合うかのように背の毛をかき合う姿も。

わかる〜、この感覚!
見ているこちらまで、なんだか爽快な気分になってしまいます。「人馬一体」という言葉があるように、長い時を共にしてきた馬と人間には、理屈を超えて伝わり合う温かな感情があるのかもしれません。

園内にはポニーのほか、小さな動物とふれあえるコーナーもあります。ウサギをそっと撫でたり、モルモットを膝にのせたり。子どもだけでなく、大人も思わず夢中になってしまう時間です。


弁天池に浮かぶのは、弁財天を祀る厳島神社です。
この池が江戸時代から農業用水を支えるため池だったことを思えば、水の神様である弁財天が祀られたのは自然な成り行きだったのでしょう。創建の正確な時期は定かではありませんが、古くから地域の方々によって大切に守られ、今もなお地元に根づいた信仰の場であり続けています。


水と緑が豊かなこの公園には、都心にいることを忘れてしまうほど、森林を思わせるエリアもあり、頭上を大きく覆う樹々の隙間からは、やわらかな木漏れ日が差し込み、風が揺らす葉のすれる音が心地よく響きます。
清々しい空気に満ちた午前中には、木々の下でゆったりとヨガや太極拳に励んだり、池のほとりのベンチで読書をする人たちも。ここにいると自然に深く息を吸い込み、緑の香りを胸いっぱいに満たしたくなります。

また、碑文谷公園は「生物多様性保全林」に指定されており、環境の保全と回復に向けた取り組みも。池の周りには小動物や昆虫のすみかとなる「エコスタック」も設置され、自然の営みをサポートしています。

さて、朝から活動的に過ごしたい日は、公園の目と鼻の先、東急線の高架下に店を構える「GOOD CHEESE GOOD BAKE」でのモーニングからスタートするのはいかがでしょうか。

店内の工房ではミルク本来のやさしいコクが際立つフレッシュチーズが仕込まれています。ホエイを練り込んだモチモチのトーストやフレッシュチーズを使ったモーニングプレートなどでエネルギーをチャージ。

お店から一歩外へ踏み出せば、そこは穏やかな時間が流れる水と緑のオアシス。
清らかな水辺に森を思わせるエリア、そしてポニーたちが迎えてくれるこの公園は、日常で心を解きほぐしたくなった時に訪れたくなります。
information

碑文谷公園
目黒区碑文谷六丁目9-11
03-5722-9775
http://www.city.meguro.tokyo.jp/shisetsu/shisetsu/koen/himonya.html