「珠玉」「魅惑」「至宝」「究極」…。

見た目も味わいも絶品のスイーツに出会うと、それをどう表現しよう!?という幸せな悩みが生まれます。表現する言葉がいくつもアタマを駆け巡る時間も至福の延長。目を潤し、胃袋を幸せに満たしてくれるスイーツは旅に出たときの非日常感に近い高揚感をもたらしてくれます。

さて、城南地区は伝統的な製法を守り続ける老舗から斬新なスタイルを提供するお店までが集まる「スイーツの宝庫」。今回は本マガジンが選んだ「革新派」2店のスイーツをご紹介しましょう。

◾︎ミシュラン星付きレストランのスイーツが購入できる「DOLCE TACUBO」

2017年から『ミシュランガイド東京』で1 つ星を獲得し続けているレストラン「TACUBO」。同店オーナーの田窪大祐シェフが2021年12月、代官山で開いたのが予約制パティスリー「DOLCE TACUBO(ドルチェ タクボ)」です。星付きレストランで提供しているスイーツを購入できるという話題性も手伝い、手土産としても人気を博しています。

「時間予約制」というユニークなシステムを導入しているこのお店では、ネットで予約した時点で受け取りに行く時間が決まります。これはお店の姿勢であり、一番ベストなタイミングで食べてほしいという思いから。スイーツを受け渡す時間から逆算し、お菓子を作っていきます。

最近では代官山散策のお供として人気を博しているのが「食感と風味を味わう焦がしフィナンシェ」。アーモンドプードルとカナダ産メープルシュガーをたっぷり使用した生地は袋を開けた瞬間、バターの香りが立ち昇り、寸断の狂いなく食欲のツボを刺激。焼き立てならではのサクサク感やバターの香りをベストな状態で届けるため、個包装をやめて袋での提供を考えたそう。

バター好きにはたまらない「食感と風味を味わう焦がしフィナンシェ」(1個400円)

埼玉・田中農場の宝玉卵と福岡・オーム乳業の生クリーム、マダガスカル産バニラビーンズをたっぷり使っている「濃厚なカスタードを味わうシュークリーム」はカットするとカスタードクリームがギッシリ。トロトロ感とコシが絶妙なバランスのクリームは卵の味わいがしっかり感じられ、シュー生地もクリームを引き立てるように仕上がっています。

卵の旨みを堪能する「濃厚なカスタードを味わうシュークリーム」(1個700円)

シュークリームと同じ宝玉卵を用い、高乳脂肪の牛乳、喜界島の粗糖とてんさい糖をブレンドした甘味で作る「王道を塗り替える濃厚プリン」も素材の長所を最大限に感じさせる逸品。

ギフトにもおすすめしたい「王道を塗り替える濃厚プリン」(1個700円)

◾︎パフェを芸術品に変えた「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」

スイーツ界に一石を投じた、ビジュー(宝石)と呼びたくなるほど美しいパフェ。世田谷区等々力にある「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI(パティスリー アサコ イワヤナギ)」はパティシエ・岩柳麻子さんが手がける芸術的なパフェやケーキが評判のお店です。

今やアサコイワヤナギの代名詞といえる「パルフェビジュー®」と名付けられたパフェが誕生したきっかけは女性誌『婦人画報』2016年5月号のパフェ特集。ハイブランドのジュエリーをイメージして製作されたパフェが登場するや反響を呼び、その後も誌面にたびたび登場することになりました。

宝石のように美しい「パルフェビジュー®」はフルーツの旬に合わせ、メニューが変わります。メインのフルーツを軸にさまざまな構成要素が見た目も舌も楽しませてくれるパフェは予約制。提供するスイーツの色味を引き立てるようグレーで統一されたお店で、贅を尽くしたパフェとともに甘美な時間を過ごしでみませんか。

お店ではパフェの内容が書かれたペーパーを配布。食べ終わった後もパフェが楽しめる心遣いが嬉しい

さくらんぼをメインに据えた「パルフェビジュー ® スリーズ」。まずはトップのさくらんボンボンショコラにテンションがアップ!添えられた春菊が色味を引き立てます。山形産さくらんぼはフレッシュで使われるほか、マリネやソース、ジェラートに。チーズケーキやピスタチオブリュレ、ショコラパイなど、さくらんぼと相性のよいスイーツのほか、杉田梅のソースやジュレ、国産オリーブの塩味、小豆島産オリーブオイルジェラートなどがアクセントになっています。

さくらんぼにときめく「パルフェビジュー ® スリーズ」5,400円(税別)

「メロンと抹茶のマリアージュ」をテーマにした「パルフェビジュー ® メロン」。香り豊かな静岡産クラウンメロンに抹茶の苦味とすだちやレモンの酸味を合わせ、甘味のなかに爽やかさを感じさせてくれます。トッピングのチョコレートで作ったメロンの器とエディブルフラワーをあしらったライムメレンゲが遊び心満点。メロンと抹茶というありそうでなかった絶妙な組み合わせが楽しめます。

抹茶葛ジュレやすだち寒天、ブッラータチーズのマリネなども楽しめる「パルフェビジュー ® メロン」5,000円(税別)

なお、どのパフェもドリンク付き。「パルフェビジュー ® メロン」のペアリングで楽しんだのはお店オリジナルの「ラムネ緑茶」。緑茶に山椒やカモミールなどの香りをブレンドした緑茶はラムネのように喉ごしが爽やか。山椒のピリッとしたエッセンスも感じられ、フレッシュな気分を満たしてくれます。

今回ご紹介した2店はどちらも事前予約・決済制を導入。この点も時代を反映し、スマートな印象を受けました。「百聞は一食に如かず」なので、気になった方はぜひ足を運んではいかがでしょうか。

INFORMATION

DOLCE TACUBO
東京都渋谷区恵比寿西2-15-9 チェラーザ代官山1階
TEL 03-6416-3940
https://d-tacubo.com

PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI
東京都世田谷区等々力4丁目4-5
TEL 03-6432-3878
https://asakoiwayanagi.net