2024年の長かった夏が終わり、東京にようやく「食欲の秋」が訪れました。
10月24日(木)、駒沢オリンピック公園では日本最大級のラーメンイベント「東京ラーメンフェスタ2024」が華やかに幕を開けました。
今年は11月4日(月)まで、ラーメンフェスタ初の3幕制での開催。各幕12ブース、計36種類のラーメンが楽しめます。
第2幕の初日を迎えた10月28日。
駒沢オリンピック公園のシンボルである「オリンピック記念塔」がそびえる中央広場に足を踏み入れると、ラーメンの写真と商品名を大きく掲げたブースの群れが圧巻!
第2幕は東京ラーメンフェスタ初出店のお店が多く、北海道をはじめ、秋田、群馬、東京、愛知、京都、岡山、福岡などから名店のラーメンが集結しました。
さっそく、食したラーメン5杯を紹介しましょう。
1人1杯を注文しましたが、他のラーメンもカップに少しずつ小分けにして、皆で楽しみました。(会場への入場は無料、ラーメン1杯1100円<チケット制>)
■札幌 麺部屋 綱取物語(北海道)横綱チャーシューと炙り角煮の濃厚札幌味噌
多い時で年間200杯以上のラーメンを食べ歩いてきた、本マガジンを運営する株式会社アイネストの「ラーメン横綱」であるY氏が選んだのは札幌 麺部屋 綱取物語(北海道)の「横綱チャーシューと炙り角煮の濃厚札幌味噌」。
麺は黄色い縮れ麺。濃厚な味噌ラーメンには自家製の炙り角煮がドン!とのっています。Y氏は「味噌なのにカレーの風味もします。なかなかパンチ力がある!」と絶賛。カレー味について、後で関係者にうかがったところ、スープにスパイスを多く用いているからだそう。
■らーめん鴨to葱(東京)鴨つけそば
こちらを選んだのは年間100杯以上はラーメンを食すというラーメン大関級のI氏。日本テレビ開局50年記念企画で生まれ、伝説のご当地ラーメンと言わしめた「復刻!汐留らーめん」と悩んだ末、「写真的に、つけ麺があった方がバリエーションが伝えられる」というプロデューサー的視点で、こちらをチョイス。
つけだれは「鴨、葱、水」だけで作られるシンプルなもの。I氏いわく「鴨の旨みがつけだれにしっかり溶け込み、全粒粉を含んだ麺との絡みも良く、素朴な美味しさを感じました」。
■鶏ポタラーメンTHANK(東京)ぽてりラーメン
他店のラーメンにはないポタージュスープを使っていることから、「上州地鶏の淡麗極上塩そば」とこちらを悩んでいたS嬢に半ば強引に推薦。じっくり煮込まれたスープには約120g分の野菜の栄養が凝縮。
「スープの旨みが沁みました。冬に食べたい味ですね」としみじみ語るS嬢。実は食べ比べたなかで一番「美味しい!」の声が上がったラーメンでした。
■えびそば緋彩×らーめんまるはち(愛知)極 濃厚甘えび味噌白湯
会場で一番行列を作っていたのは、愛知の名店2店によるコラボラーメン。このイベントでしか食べられないということで私Oが選んだのは、えびそば緋彩×らーめんまるはち(愛知)がタッグを組んだ「極 濃厚甘えび味噌白湯」。
今にも丼から落っこちそうなほどの豪快な豚バラ焼き、エビ、卵、ネギ、もやしがトッピングされ、なかの極太麺は全く見えません。個人的に極太麺のラーメンを選ぶことはないのですが、八丁味噌を隠し味に用いた白湯スープがよく絡み、スープと共に完食。
■秋田香麺会(秋田)鴨白湯とオマールのマリアージュヌードル
さて、本企画の提案者であり、当日の撮影、チケットや小分け用のカップ手配などに奔走したM嬢が食したのは秋田香麺会の「鴨白湯とオマールのマリアージュヌードル」。こちらは秋田県の3店によるコラボで、希少なフランス鴨を使用した白湯スープにオマール海老のビスク仕立てを混ぜ合わせたクリーミーなスープのラーメンをいただけます。
麺はパスタに使われるデュラムセモリナ粉をブレンドした、普段はお目にかかれない珍しいもの。M嬢は「歯切れがよく、濃厚なスープをよく吸っています」。
「写真を撮影するならスープの膜が張らないうちに。これとこれを先に買いに行こう」。
そんな「ラーメン愛」に満ちたY氏とI氏の指南のおかげで写真撮影もスムース。屋外のテーブルでは麺を箸で持ち上げる「ラーメンリフト」や「チャーシューを最初に食べると太りにくい」という豆知識も飛び交いました。ラーメンから広がる楽しいひととき。ラーメンは湯気の向こうで人と人との距離を縮めてくれるようです。
また、ラーメン以外にもフワフワのかき氷で知られる世田谷の「雪うさぎ」や餃子とアルコール類を提供する「なると亭」のブースも出店。おなかに余裕のある方はラーメンと共に楽しむのも良いでしょう。なお、お土産を求めるなら「東京ラーメンフェスタ限定SHOP」へ。ご当地ラーメン25種のなかには第1〜3幕に出店するお店の商品もあるので、ラーメンフェスタの余韻に浸るのも良いでしょう。
東京ラーメンフェスタ実行委員会の実行委員長を務める大崎裕史さん(株式会社ラーメンデータバンク 取締役会長)はこれまで日本全国29,000杯のラーメンを食べ尽くした「ラーメン界の重鎮」として広く知られる方。2幕の初日を迎えたこの日も「今日は会場で3杯食べてきました!」とにこやかに登場されました。
大崎さんに2024年のラーメンフェスタについてうかがいました。
「今年はラーメンフェスタ初の3幕開催です。会場は1年ぐらい前に押さえ、出店いただくお店のオファーは半年前から行います。お店には普段出している3分の2ぐらいのボリュームで、1日1,000杯出してもらえるかどうかを考えてもらいますが、今年の第2幕は初めて出店するお店が多かったので、1日700杯ぐらいを目安に仕込んでもらいました。このイベントが全国に美味しいラーメンが沢山あることを知ってもらえる機会になればと願っています」。
そして11月1日からはいよいよ最終幕の第3幕が開催されます。
「第3幕はまず、札幌から人気のラーメン店が2店。どちらも味噌で出してきます。そしてラーメン消費量日本一を競う山形と新潟が隣り合ったブースで出店します。山形VS新潟。これは楽しみですね。また、今年は家系ラーメン50周年。ラーメンデータバンクがアンケートを取った結果、家系の次世代を担う2店によるコラボラーメンが『ラーメン四賢人が選ぶ第3幕で食べたいラーメン』の1位に選ばれています。何人かで来て、数種類を小分けにして食べ比べることができるのもラーメンフェスタならでは。ぜひ、皆で楽しんでください」と抱負を語ります。
1杯ごとに凝縮された、その土地の味と歴史。
麺が絡んだスープをいただく瞬間、ラーメンは食事を超え、心に残る体験へと変わっていきます。
至高の1杯をぜひ、第3幕で楽しんでみませんか。
INFORMATION
東京ラーメンフェスタ2024
駒沢オリンピック公園 中央広場 (住所:世田谷区駒沢公園1-1)
主催・事務局:東京ラーメンフェスタ2024実行委員会(事務局 株式会社ラーメンデータバンク)
公式サイト:https://ra-fes.com/index.html
開催日時(3幕・店舗入れ替え制)
2024年10月24日(木)~11月4日(月・祝)※雨天開催
第3幕:11月1日(金)~11月4日(月・祝)
10:30~20:30閉場※11月4日は18:00閉場