まさかの眺望に言葉を失ったのは、代官山のメキシカンレストラン『Hacienda del cielo(アシエンダ デル シエロ)』。

東急東横線「代官山」駅から徒歩約5分。
八幡通り沿いに建つシャープなオフィスビル「マンサード代官山」9階のドアが開き、オープンキッチンを横目に通路を抜けた後の視界には…高い天井、全面窓ガラスの向こうに望めるのは東京タワーや六本木ヒルズをはじめとする東京都心の高層ビルが林立。スペイン語で「空の家」を意味する店名だけに、天空まで突き抜けていきそうな開放感!

ダイニング空間の向こうには「代官山アドレス」がそびえる

外に広がる都心の景色を凌駕するほど圧巻なのは、ワンフロアを占めるレストラン空間。
高さ約8メートルの天井にはマヤ神話の至高神でありメキシコのシンボルでもある羽根のある蛇「Kukulcan(ククルカン)」のオブジェがフロアを見下ろし、全面窓ガラスとなっているテラス席側から自然光がたっぷり注がれ、居るだけで高揚感が生まれます。

バーコーナーの真上の天井にはマヤ神話の蛇神「ククルカン」をイメージしたゴージャスなオブジェが。思わず見上げてしまう

大箱のレストランだけに室内のダイニング空間を一歩外に踏み出すと、オープンエアのダイニングやバー、ラグジュアリーなラウンジなども。「空の家」のお店の名にふさわしいゾーニングに嘆息せずにいられません。

テラスにもテーブルやソファ席があり、青空の下で食事を楽しめる
「東京タワー」をはじめ、知っている東京都心の建物を探す楽しみも

モダンメキシカンが楽しめるお店ではバラエティに富んだランチをラインアップ。
オーダーしたのは「TACOS EMPERADOR(タコス・エンペラドール)」(1,600円)と「CHILAQUILES DE MARISCOS(チラキレス・デ・マリスコス)」(1,200円)。メキシコ語を知らないとなんだか呪文の言葉のような料理名ですね(笑)。

カラフルなプレゼンテーションに感嘆する「タコス・エンペラドール」

3種の具材をトルティーヤに巻いて食べるのが楽しめる「タコス・エンペラドール」は「スパイスマリネ・ポーク」 「牛と野菜のスパイストマト煮込み」「 シュリンプ・フリット」をトルティーヤにのせてサルサソースやレモンで味付けて。

日本のメキシコ料理でメジャーな存在といえる「トルティーヤ」と「タコス」。
この2つはよく混同されがちですが、トルティーヤは粉状のトウモロコシに水と塩を混ぜて円形に薄く伸ばして焼いたメキシコの主食、タコスはトルティーヤを使った料理のこと。
日本食でいえば、ご飯と炒飯のような関係性でしょうか。

タコスは具材と味付け、巻く過程も楽しい料理。
もし、タコスをシェアしたい場合は“追いトルティーヤ”(50円)も可能です。

「チラキレス・デ・マリスコス」はトルティーヤチップス(トルティーヤを4等分にして揚げたもの)に2色のサルサソースをかけ、シーフードと目玉焼きをのせた伝統的なメキシコ料理。

想像以上に「おじや感」のあるスパイシーな「チラキレス・デ・マリスコス」

お店の方によると「トルティーヤチップがアツアツのソースでやわらかくなり、おじやのようになります」。タコスは食べたことはあるけど、それ以外のメキシコ料理にはなかなか踏み出すチャンスがない、という方はこのチラキレスを体験してみるのもよいでしょう。

熱したサルサソースがかけられたトルティーヤチップスは揚げたパリパリ感はなくなり、トロリとした食感に変身。しっかりとサルサやシーフードの味が染みこみ、風邪を引いた時に食べたくなるかも…メキシコではお母さんの味なのかもしれません。

自然光がたっぷり注がれる店内ではメキシコの国境のカラーをイメージしたテーブルとチェアが並ぶ

さて、11月はメキシコ人にとって大切な行事がある月。
それは11月1日、2日の「死者の日」。
日本のお盆にあたる行事で、1日には子どもの魂が、2日には大人の魂がこの世に帰ってくると言われています。
お墓は沢山のろうそくとマリーゴールドの花で彩られ、家族は一晩中お墓で楽しく過ごすというもの。

ガイコツを模したフェイスペインティングをして「死者の日」を祝う人たち

死者の日について、この記事の撮影を担当したS嬢がオススメするのが映画『リメンバー・ミー 』(2017年)。
ミュージシャンを目指す主人公ミゲルが死者の国に迷い込み、ガイコツたちと大冒険を繰り広げる、大人も子どもも楽しめる物語です。
S嬢は「メキシコに『死者の日』があるということをこの映画で知りました。ストーリーがとても心温まります。友人がつい最近、感動する映画と出会ったというので、どの作品かと思っていたらこの『リメンバー・ミー 』でした。公開から数年経ちますが、良い作品は多くの人に届くものですね」。

テーブル席からの眺望もランチタイムのお楽しみ

11月は春夏の陽光をたっぷり浴びて勢いづいていた木々も葉を落とし、冬への扉を開ける月。
お店ではテラス席の利用もOKです。夏にはないピリッと締まりのある空気がみなぎるなか、東京都心の美しい眺望をメキシコ料理とともに味わってみませんか。

information

Hacienda del cielo(アシエンダ デル シエロ)
東京都渋谷区猿楽町10-1 マンサード代官山9F
03-5457-1521
https://www.huge.co.jp/restaurant/modern-mexicano/hacien