今や世界に影響力をもつハイブランド「ルイ・ヴィトン」。レアなコレクションやブランドにまつわるアートなどが集結した展覧会「LOUIS VUITTON &」がJR原宿駅の近くにある「jing(ジング)」で開催されています。
会場の「jing」は以前紹介した国立代々木競技場の目と鼻の先。JR山手線の上に架けられた五輪橋の前にあります。黒塗りにヴィヴィッドな文字が並ぶ建物の外観が、展覧会への期待感を掻き立てます。

展覧会のタイトルに「&」が付けられているのは、ルイ・ヴィトンが発表したコラボレーションがテーマとなっていることから。エントランスをくぐると暗闇に映し出された幻想的な映像に迎えられます。
アーティストたちが制作した創業者ルイ・ヴィトンのポートレイト作品や十一代目市川海老蔵の化粧ケース 「ボワット・ファルマシー」などを鑑賞し、歩を進めると壁一面がスカーフに覆われたゾーンが!壁紙はスティーブン・スプラウスによる、ルイ・ヴィトンおなじみのポップなグラフィティ。ここではルイ・ヴィトンと世界のアーティストたちがコラボした「カレ ・ ド ・ ソワ(シルクスカーフ)」が壁に大胆に配されています。世界の名画をルイ・ヴィトン製品にデザインした「マスターピースコレクション」シリーズに起用されたアーティスト・でジェフ・クーンズが手がけたモナリザのスカーフも展示されていました。

歌舞伎俳優・十一代目市川海老蔵とのコラボレーションによる化粧ケース「ボワット・ファルマシー」。 成田屋の三升紋があしらわれている。

21世紀の東京五輪を機に国立競技場を設計するはずだった建築家、故ザハ・ハディドがデザインした「バケットバッグ」はルイ・ヴィトンの代表的なモチーフ、モノグラムがあしらわれたホワイトカラーに内側がショッキングピンクという洗練されたデザイン。ブラックの壁にザハの建築を思わせる曲線か印象的なオブジェがぽっかりと浮かび上がり、ザハの孤高感を感じさせる展示です。鑑賞したばかりのジェフ・クーンズのスカーフにデザインされていたモナリザを観た眼には近未来に一気にタイムスリップしたよう。
ヴィトンでは数々のコラボバッグを発表していますが、今回の展覧会ではコラボの歴史を語る貴重なバッグが集まっています。なかでも「コム デ ギャルソン」のデザイナー川久保玲が手がけた「バッグ ウィズ ホールズ」コレクションの展示は、彼女が手がけたモノグラム柄のバッグに大胆な穴を開けた斬新なバッグから着想を得て、穴から製品をのぞく仕掛けがなされた展示方法がユニーク。

ルイ・ヴィトンと日本人アーティストのコラボのなかでも、とりわけ村上隆と草間彌生の作品はセンセーショナルでした。マーク・ジェイコブスがヴィトンのデザイナーに就任し、2003年の春夏コレクションに起用された村上隆、そして2012年に発表されたコンテンポラリーアートそのものといってもよい草間彌生のコレクションはバリエーションも豊かで見ごたえあり。

日本とルイ・ヴィトンとのつながりを感じさせるコラボレーションでひときわ目をひくのは故山本寛斎がデヴィッド・ボウイに提供した「TOKYO POP」と名付けられたジャンプスーツ。山本寛斎は1973年にデヴィッド・ボウイがワールドツアーを行ったときのコスチュームを手がけたデザイナーとして一躍有名に。ボウイも寛斎も帰星しましたが、彼らのクリエイションは後世に伝わるものとなるでしょう。

展覧会を鑑賞した後はギフトショップへ。
カラフルな色彩にあふれ、解放感を感じさせる空間は建築家・菅原大輔が手がけたもの。フレグランスや小物類など、心を高揚させるデザインの色々なものが並び、購入はスマホでQRコードを読み取ってオンラインで。美的なボトルに入ったフレグランスは好みの香りをスタッフに告げると、試すこともできます。
世界の都市をガイドする「シティガイド」や選ばれたアーティストが実際に訪れた都市を描いた「トラベルブック」、写真集「ファッション・アイ」など、旅に関する出版物が並ぶコーナーも圧巻でした。普段、日本のルイ・ヴィトンのお店でこのように旅の本が集結することはほとんどなく、唯一、ブックコーナーが充実しているのは広島市内にある福屋百貨店のルイ・ヴィトンブテイックなのだそう。

1854年にトランク職人のルイ・ヴィトンによって創設されたブランドの見ごたえたっぷりの展覧会。心に潤いと刺激を与えるアートの世界を体験してみませんか。

LOUIS VUITTON &
2021年5月16日(日)まで
会場 東京都渋谷区神宮前6-35-6 jing
無料 ※要事前予約
https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/magazine/articles/lv-and#
※開館時間など詳細はお問い合わせください。