深遠なる海の世界は謎めく存在。
そこにはとてつもない神秘が眠っているかもしれません。
たとえば、浦島太郎のお話に登場する、海のなかの桃源郷である「竜宮城」のように。

海のなかのお花見ー。
雅な宴を連想させるイベントを楽しむべく訪れたのは「マクセル アクアパーク品川」。
「音・光・映像と生きものの融合」をテーマにしたこの施設では、2023年4月23日(日)まで「NAKED SAKURA AQUARIUM(ネイキッド サクラ アクアリウム)」が開催されています。

東京タワーや二条城などのプロジェクションマッピング他の空間演出を手がけてきたクリエイティブカンパニー「NAKED,INC(ネイキッド)」による桜のデジタルアートと海の世界が織りなす空間、コンテンツに彩られた館内でのお花見の様子を紹介しましょう。

入場ゲートを抜けると正面には満開の桜のデジタルアートが!
やわらかな光を全身で受け止めると、うららかな春の訪れを感じます。
よく見るとデジタルアートの中央部には何やら動めくものが…。
それは水槽のなかで泳ぐ「サクラダイ」。ヒラヒラと舞う桜の花びらのようです。
このデジタルアートは壁にふれると桜が咲く仕掛けもなされ、お花見ムード満点。

枝状に伸びるサンゴの仲間「ヤギ」を桜に見立て、その周囲を「ミナミハコフグ」や「クダゴンベ」が泳ぐ様子はまるで海のなかで繰り広げられる宴。
そんな11本の水槽を楽しめるのが、満開の桜と枯山水の模様が描かれた“春の日本庭園”を演出するエリア。
足元から立ち上るように広がる和の美しい映像にときめきます。

春の日本庭園を桜と枯山水の映像で表した「舞桜の庭」
桜に見立てた虹色の「ヤギ」の周りを泳ぐ「クダゴンベ」

続いて、桜がつぼみから満開、桜吹雪になるまで、桜の開花状態を水槽のなかで表現するエリアへ。
桜のつぼみをイメージした水槽では、「メジロダコ」が貝殻の間から顔をのぞかせていたり、青のライティングの中、淡い紫の体色が優美な「パープルクイーン」が舞うように泳ぐ様子は夜桜を思わせます。

「零れ桜」と題されたエリアの一角には「パープルクイーン」を展示 し、「夜桜」を表現

お花見気分をより満喫したいなら「花も団子も」で、お腹も満たしたいところ。
そんな時は桜のデジタルアートに彩られたラウンジ感のある幻想的なカフェバーへ。
イベント期間は桜や春をテーマにした限定メニューが用意され、スタイリッシュな円柱水槽を見ながらいただけるほか、館内であれば持ち歩くこともできます。

左奥から「春色ラテ〜桜&ベリー〜」(600円)、「さくら澪※アルコール」(1,200円)、「お花見だんご」(500円) 、「さくら水わらび餅」(500円)

同館でも一際人気を誇る「ジェリーフィッシュランブル」も桜の演出がなされています。
ほの暗い灯のなか、無数のピンクやブルーのLEDライトが鏡面に反射すると、心にグッとくるBGMも重なって「夜桜」をテーマにした幻想世界へトリップ。
水槽のなかでユラユラと踊るクラゲの姿が目に映ると目の前のクラゲに同調したのでしょうか、心身がゆる〜く解されていくよう。ずっとこの癒しの場にいたい…そんな思索にふける空間です。

7つの円柱水槽で浮遊する「ミズクラゲ」や「アカクラゲ」は見ているだけで癒される

また、ジェリーフィッシュランブルと並んで人気を博す「ドルフィンパフォーマンス」も桜や春にちなんだ演出で開催されています。

直径約25mの大型円形プールを客席がぐるりと囲んだ「ザ スタジアム」がその舞台。
今季ならではのプログラム「春息吹 -HARU IBUKI」(各回約15分)は春の訪れを表現したストーリーの中でイルカとトレーナーの心の繋がりが伝わってくる臨場感のあるパフォーマンス。人間とイルカの通じ合っている姿に心を締め付けられてしまいました。
※開催時間11:30A.M./1:00P.M./2:30P.M./4:00P.M./5:30P.M(4月23日まで)

なお、迫力あるパフォーマンスを前方エリアで観たいという方はレインポンチョ(館内でも販売)の準備をお忘れなく。イルカのジャンプによる大スプラッシュ演出で前方の客席がかなり濡れるものと予想されます。

人気の動物たちが集結した「ワイルドストリート」では新プログラム「ワイルドライブビューイング」を実施。飼育スタッフが装着したウェアラブルカメラと大型モニターが連動し、スタッフ目線のライブ映像と共に生きものの生態を紹介します。
春は「ゴマフアザラシ」と「ペンギン」にフォーカスし、桜にちなんだ演出とともに迫力満点の映像を届けてくれます。

飼育スタッフ目線のライブ映像が楽しめる

また、希少なノコギリエイなどが展示されている長さ約20mの海中トンネル「ワンダーチューブ」やコツメカワウソのミニパフォーマンスが行われる「フレンドリースクエア」、そして海にまつわる2つのダイナミックなアトラクションなどが体験できることも同館の魅力。

春ならではのステージでパフォーマンスするコツメカワウソのたいようくん
人気アトラクションの1つ「ポート・オブ・パイレーツ」(500円)※身長制限あり

入場ゲートをくぐった時は「水族館」気分だったものの、アート性が高く、人と生きものの繋がりをいたるところに感じさせる館内を巡るうちに、ここは生きものや海の世界の魅力をさまざまな方法で伝えるミュージアム、という視点が加わりました。

海に生きるものたちを目にして感じたのは、海が地の下に広がる宇宙であること。
やはり、海の世界は人智では計り知れない魅力が眠っているようです。

〈取材協力〉アクセル アクアパーク品川

INFORMATION

マクセル アクアパーク品川
東京都港区高輪4-10-30(品川プリンスホテル内)
Tel 03-5421-1111(音声ガイダンス)

イベント「NAKED SAKURA AQUARIUM」

開催期間:2023年3月4日(土)~4月23日(日)
開催時間:※詳細は公式HPをご参照ください。
http://www.aqua-park.jp/special/sakuraaquarium2023/

チケット料金
おとな(高校生以上)2,500円
小・中学生 1,300円
幼児(4才以上)800円