「他は己ならず」という言葉を残したのは曹洞宗宗祖の道元禅師。
どこまでいっても他人は自分ではないという意味で「自分で在ることへの潔さ」を表現する言葉といえます。
さて、「他は己ならず」を存在でもっておしえてくれる動物がいます。
それは猫。
人間はもとより、同じ猫にも媚びない姿を見て「自由に生きてる」「気まぐれだけど尊い」と、羨望の眼差しを彼らに向けたことはありませんか?
ある意味、人間の憧れともいえる猫が日本で家猫(ペット)として迎え入れられている数は894万6000頭。ちなみに犬は710万6000頭(一般社団法人ペットフード協会 2021年 全国犬猫飼育実態調査より)で、日本では犬より猫を迎え入れる人たちが圧倒的に多いようです。この記事でも紹介していますが、コロナ禍以降の新規飼育数も犬より猫が上回っています。ヒゲダンも「犬かキャットかで死ぬまで喧嘩しよう!」と唄っているように「なぜ犬か?なぜ猫か?」論争は果てしなく続きそうですが、猫と一緒に暮らすことが心の安息につながると感じている人が増えているのは確かです。
飼い猫との出会いはさまざまですが、最近では保護猫の活動と連携する譲渡型の猫カフェを利用する方も増えているようです。
そのメリットは猫を買う前に何度も会って性格を把握でき、里親(飼い主)との相性を確かめられること。また、近年は犬猫の殺処分が社会問題としてクローズアップされている背景もあり、カフェを利用することが保護活動の支援につながるケースも多く、間接的に猫のために役立っているという点でしょうか。
大田区蒲田にある譲渡型猫カフェ「にゃんくる 蒲田店」に暮らすのは「NPO法人 リトルキャッツ」で保護された20匹の猫たち。猫と遊べるカフェですが、ご縁を感じた猫に出会ったら、譲渡してもらえるシステムを採用しています。
お店はカフェスペースと猫たちと遊ぶスペースにきっちり分かれています。
ロッカーに荷物を入れ、早速、猫たちのいるスペースへ。
見渡す限り、猫、猫、猫!
ひろびろとしたカーペットのフロアはほんわか〜とした癒しの空気に包まれています。
猫をこよなく愛する人たちにとって、ここは聖地にして至福の場所といえるかも!?
スタッフの方たちが愛情を持って育てる猫たちは思い思いのまま、キャットタワーや高所に作られたボックスなどを居場所にしてくつろいでいます。彼らは「我関せず」を貫き、人間のもとに駆け寄ってきたりしません。猫慣れしていない人はここでイジケてはいけませんよ(笑)。
しかし、人に親しんでいる猫はスリスリと寄ってきたり、膝のうえにちょこんと乗ってきます(けど、すぐによそへ行ってしまう子もいるのですが…)。つくづく「気まぐれ」という言葉は猫のためにあるのだなと思います。
お店では15:00と18:30〜19:00がごはんタイム。
スタッフのおふたりがエサの準備をしていると、猫たちはソワソワしてきます。さっきまで知らんぷりだった態度から一転。いてもたってもいられない様子は見ていて気味が良いです(笑)。
私たちをチラッと見ただけで高い場所で身づくろいに精を出してい
そして猫たちお待ちかねのごはんタイム!
お行儀よく一列に並んで食べます。こちら、猫好きにはたまらない光景ですね。
猫たちは食後、皆、思い思いの行動をとるのですが、なかには嘔吐する猫も。
動物看護師でもある、にゃんくる蒲田店の布施さんは「猫は毛づくろいで出てきた抜け毛や汚れを飲み込んでしまい、吐き出すことがあります。抜け毛は体内で消化できないので、便や嘔吐で排出するんですよ」。感動したのは、猫が吐き出したものが速やかに片付ける手際の良さ。清潔なフロアでお客さまが快適に過ごせる配慮を感じます。
スタッフの方たちはいつも猫たちとふれあっているので、1匹ずつの特徴を細かなことまで把握しています。ここで一番長く暮らしている猫や人間によく懐いている猫、クールでちょっと気難しい猫…。気になる猫がいたら普段の様子や性格を尋ねてみるのもよいでしょう。
お店には遊び道具も用意しているので、ネコジャラシをお借りして猫たちと遊んだり、その姿をスマホにおさめたり。
ここでは思う存分、猫たちとふれあう時間を過ごせます。
店内の猫はすべて譲渡の対象なので、猫を迎え入れるこのを考えているならトライアルへとお話を進めることも可能です。トライアルについてはこちらから。
猫を飼うことを考えている方は選択肢の1つとして保護猫を迎え入れることも視野に入れてはいかがでしょうか。身近に猫がいると、冬はあたたまるし、慣れてくるとあの特有のわがままな行動さえ愛すべきものになるはずだから。
INFORMATION
渡型猫カフェ にゃんくる 蒲田店
東京都大田区西蒲田7丁目4-6 シティ蒲田 4F
TEL 03-6424-7272
https://www.nekocafe-leon.com/shop-list/kamata-nyankuru