スペイン・カタルーニャ地方から始まった「サン・ジョルディの日」をご存じでしょうか。サン・ジョルディとは古代ローマ末期の聖人の名前。巨大な悪竜のいけにえに差し出された王女を救ったサン・ジョルディはカタルーニャの守護聖人として讃えられています。
4月を迎えるとカタルーニャの中心都市バルセロナの大通りや書店では「 Diada de Sant Jordi(カタルーニャ語で「サン・ジョルディの日」)」の文字が入ったポスターやフラッグがいっせいに飾られます。
4月23日はサン・ジョルディが殉教した日であること、そして文豪セルヴァンテスとシェークスピアの命日(調べたところ、イギリスの詩人ワーズワースもこの日が命日)にあたることから、本と深い結びつきがあるとされ、1923年にカタルーニャ地方でこの日に本を贈る習慣が生まれました。また、サン・ジョルディが退治した竜の血が赤いバラに変わったという伝説からカタルーニャではバラを贈る習慣も。日本でも本に縁ある日として2001年に4月23日が「子ども読書の日」に制定されました。
インテリジェンスとロマンスを感じさせるサン・ジョルディの日。普段はオンラインで本を探すことが多いという方も書店に足を運び、ピン!とくる作品と出会うのもよいかもしれません。
COW BOOKS
中目黒の目黒川沿いにある「COW BOOKS(カウブックス)」は雑誌『暮しの手帖』編集長を経て、現在はcookpadの新サービス「くらしのきほん」の編集長を務める松浦弥太郎さんがセレクトした本が並ぶ書店。「自由であること」を基軸にした、ジャンルを特定しない幅広いセレクションが魅力です。
COW BOOKS
NADiff modern
アート系を中心に文学やライフスタイルブック、絵本のほか、スタイリッシュな雑貨やポストカードなども扱っているのが渋谷Bunkamuraの地階にある「NADiff modern(ナディッフモダン)」。隣接するパリの老舗カフェの伝統を受け継ぐ「ドゥ マゴ パリ」のテラス席でコーヒーとともに読書にふける時間も心癒されます。
NADiff modern
etc.books
2021年1月、城南地区に新しくオープンした書店が「etc.books(エトセトラブックス)」です。新代田駅から徒歩約2分、小田急線沿いにあります。ここはフェミニズム専門の出版社「エトセトラブックス」の本屋部門で、雑誌「エトセトラ」も定期的に刊行。社名のエトセトラ(etc.)には「まだ伝えられていない女性のさまざまな声を届けたい」という思いが込められています。
etc.books
紙の本には電子書籍にはない趣が封じ込められています。本は書かれている内容もさることながら、表紙の絵や写真、装丁や紙質なども目と心の栄養になるもの。サン・ジョルディの日には大切な人に、そして自分に、刺激と感動を与える1冊を贈ってみませんか。