「なになに!?」キャロットタワー前の広場で多くの人々が目を輝かせて立ち止まり、スマホを取り出して撮影し始めたのは赤色と白色の大群…。その正体は30人のサンタクロース!

2020年12月13日(日)、世田谷区三軒茶屋でチャリティイベント「三茶にサンタがやってくる!2020」(主催「三茶にサンタがやってくる!実行委員会」 )が開催されました。

このイベントはコロナ禍で経済的な影響を受けた家庭の子どもたちにクリスマスプレゼントを届けるために企画されました。

前述のサンタクロースに扮したのはイベントの趣旨に賛同した人たち。自ら寄付するとともに、クリスマスムードを盛り上げるサンタになったというわけです。また、クリスマス帽やツリーのモビールなどを作るワークショップの参加費やイベント会場で募った募金なども「せたがやフードパントリー」に全額寄付され、子どもたちへのプレゼントを購入する費用に役立てられました。

サンタ電車

快晴の澄みきった空の下、歩行者天国の茶沢通りではイベントスタッフから効果的な手指消毒の方法をおしえてもらう子どもたちや通りがかったサンタクロースに歓声をあげる人も。また、烏山川緑道に設置された「トナカイカフェ」ではイベントに訪れた人たちが手作りの焼き菓子とともにレモネードやバングラデシュティーを楽しみました。

イベントのハイライトは三軒茶屋と下高井戸を結ぶ世田谷線の貸し切り電車に30人のサンタクロースが一斉に乗り込んだ「サンタ電車」。普段はまず見られない、サンタ集団を一目見るため、多くの人たちが世田谷線「三軒茶屋」駅のプラットホームやキャロットタワー前の広場に集まり、サンタ電車が走る前後はサンタの「入り待ち」「出待ち」状態に!

電車に乗り込んだサンタたちは三軒茶屋・下高井戸間を往復しました。きっと、車窓から手を振るサンタを目撃できた人にとってはサプライズのクリスマスプレゼントになったことでしょう。大役を果たし、三茶に戻ったサンタクロースたちは通りがかりの人やワークショップで作ったクリスマス帽をかぶった子どもたちと気さくに写真撮影に応じました。

「ふれあい広場」で行われたフィナーレではサンタたちがクリスマスの音楽に合わせて踊る姿に誘われて三軒茶屋在住の外国人も飛び入りし、一緒に踊る場面もあり、楽しいムードに包まれました。

三茶にこれほど沢山のサンタが集結したイベントはおそらく初めてのこと。体温のようなぬくもりを感じさせるイベントの“始まりの手”となったのは世田谷ボランティア協会の鈴木佑輔さん。鈴木さんは「コロナ禍の影響で経済的に苦しむ親が生活のために自分の食費を削っている実情を知り、彼らがクリスマスプレゼントを渡せないことに悩まないよう、支援できたらと思いました。今回のイベントでは100万円以上の寄付金が集まり、360人の子どもたちの家庭に図書券を渡すことができました。せたがやフードパントリーからは、お小遣いを我慢していた子どもたちが欲しかった本を買えて喜んでいるという声が届いています」と話します。

来年もまた三茶で沢山のサンタクロースに会いたいものです。

願いが叶いますように